債権を理解して不労所得を得る。金利が上がれば価格が下がる仕組み
債権は不労所得を得る手段としては王道です。そして債権の仕組みを理解することは賢く不労所得生活を送るために欠かせません。あなたは債権についてきちんと理解できていますか?債権は金利が上昇すると価格が下がることをご存知でしょうか。
例えば金利3%の償還まで3年の円貨建て債権が20万円で販売中です。そしてその後発売される債権の金利が5%になったとします。すると発行済債権の価格は12万円になります。
なぜでしょうか?
今回はこの債権の価格の仕組みについてお伝えしていきます。
債権は既発債と新発債に区分される
債権はこれまで発行された債権を既発債。新たに発行される債権を新発債といい、名称を区分しています。証券会社の債権についてのページを確認すると、新発債は申込期間○○月○○日~○○月○○日のように募集しています。
下のトルコリラ建債権は2017年9月時点で新発債です。
出典:
SBI証券―ネット証券最大手の証券会社。オンライントレードでの投資をしっかりサポート―
世界で最も注目される債権はアメリカの10年国債
世界経済の中心のアメリカの10年国債の利回りと比較してどれだけ有利な利回りであるかが、その金融商品の一つの目安になっています。
現在のアメリカ10年債は2.75%のようです。
こちらの記事でも少しアメリカ国債について少し触れました。
10man-furousyotoku.hatenablog.jp
なぜアメリカ10年国債と比較するのでしょうか?
それは、アメリカ10年国債より利回りが低い投資なら、堅実にアメリカ10年国債に投資した方がましなため、その投資は無意味にリスクが高いだけであると判断できるからです。
債権の金利が上がると価格が下がる仕組み
債権には既発債と新発債があることをお伝えしました。冒頭の例で説明すると、同様の債権で既発債の3%の金利が5%へ上がるとなぜ債権価格が下がるかと言うと、価格が新発債に引きずられてさや寄せされるからです。
当初金利3%で20万円の既発債は、金利5%で20万円の新発債の登場により、うまみが無くなってしまっていることは理解いただけていると思います。
このままでは既発債を買う人はだれ一人いません。そのため、価格を金利5%の新発債に合わせて引き下げる必要があるのです。
その価格の計算は簡単です。
金利3%の年間利回りは、0.03×200000=6000円です。
金利5%の年間利回りは、0.05×200000=10000円です。
この差をなくすため、価格を調整します。
年間6000円の利回りを新発債の金利5%で割ります。
6000/0.05=120000円
となります。
すると、当然ですが
0.05×120000=6000円となり、既発債と新発債のバランスがとれます。
以上が債権の金利が上がると価格が下がる仕組みの解説です。どうでしょうか?一見分かりづらそうに見えて中身はとても簡単なものです。
ちなみにもし日本国債の低金利が引き上げられたらどのような事が考えられるでしょうか?日本国債を多く保有しているのは地方銀行です。そのため地方銀行が損をすることが考えられます。
債権を理解して利回りの大きな不労所得にする
今回は債権の金利と価格の関係についてお伝えしました。今回の内容はインカムゲインの考え方の基礎になります。そしてあなたが実際にポートフォリオの構成を考える時には、高利回り高リスクな債権と低利回り低リスクな債権を組合せてリスクと利回りのバランスを勘案して運用をするのではないでしょうか。
これは基本的でいて本質的な話で、どのような金融商品を組合せたとしてもこの考え方は普遍的なものです。
また、このような多彩な債権を組合せたETFという金融商品もあります。ETFでは少額投資も可能となっており、しかも多くの債権に同時に投資することにより分散投資効果もあります。
参考にしてください。